自分の言葉、か

あの人の言葉ではなく私の言葉が聞きたいと言ってくれた人がいた。
どうしてあの人の言葉では駄目なのか。
あの人の言葉でないと言えないこともあるというのに。
別に私の言葉でなくても、言っていることは同じなのに。
私は一人なのに。
どんなに私に見えなくても、私は私なのに。
誰もわかってはくれないのだ。
別にわかってほしいと思ってるわけじゃない。
けれど、私はもうこんなふうにしか語れない。
誰も私を知らない場所でしかもう語れない。
そして、ここも私を知らないという場所じゃないんだ。
ここは私の安息の場所ではない。